ニャオスの財産も増えてきました。
イチゴハウスと爪とぎ。
(でも、トイレは牛乳パックで作っています。買わなくていいかも・・・)
高校生の頃、夏休みに友達のうちに遊びに行った。
「暑かったでしょ。これ食べる?」と出されたのは、パックごと凍らせる氷菓だった。
「食べる食べる」
パックの上端を切り取って、下から押し出しながらガリガリ食べる。
見たことのないメーカーだったが、オレンジ味でおいしい。
「もう一つ食べる?」
「食べる」
また出してくれたので、また食べる。
それもオレンジ味だ。ほかの味はないのかな?と思いながらガリガリ食べる。
「もっと食べる? 何箱もあるよ」
「もういらないよ〜」
そういえば、廊下に段ボール箱が積んであった。
「ほかの味もあるの?」
「全部オレンジ味」
思わず笑ってしまった。「ご家族全員オレンジが好きなの?」
友達はうんざりした顔で「嫌いじゃないけど、家族全員もう完全に飽きている」と言った。
そして、「このパックを見て、何か気がつかない?」とパックを突きつけてきた。
オレンジ色の大きな字で「オレンジ」と書いてあるシンプルなものだ。
「え? 何も気がつかないよ・・・」
「よく見て」
「よく見てるよ・・・あ、あれ?」
よくよく見ると、「オレンジ」ではなくて「オレンン”」となっていたのだ。
だけど、オレンジの絵も描かれているし、字の縁取りが何重にもあるので、パッとみたら目が勝手に「オレンジ」と読んでしまう。
「こんなに大々的に間違えることってあるんだね」
「人間がやることだからね」
などと2人で話した。
「オレンン”」と書かれた氷菓は出荷できない。、
出荷できないが捨てるわけにもいかず、関連会社の社員たちが買うことになった。
友達のおとうさんは、親会社の重役だったので、大量に引き取ったということだった。
「オレンン”」のまま、デザイン事務所から印刷会社、そして食品工場まですり抜けたわけで、いったい何人がこれを見逃したのだろう。
「工場で、これを箱詰めをしていたパートのおばさんが気がついたんだってよ」
「エライ! パートのおばさんエライよ!」
すぐさま走っていって、そのパートのおばさんの手を握りたい気がしました。
沖縄の、そして日本や世界の将来にとって、辺野古に米軍基地を造るのは間違っていると思います。
アメリカと日本の政治家の方たちは、間違っていることに気がつかない。
あるいは利権のために気がつかないふりを通そうとしている。
でも、箱詰めに雇われたパートのおばさんだからこそ、「間違ってます」と言えることもあるでしょう。
権力や利権を持たないパートのおばさんだからこそ、わかることだってあるのです。
ただの一市民が何となく感じた「やだなあ」という思い。
それを、無理に押し殺してはいけないのです。