パートのおばさんは見た!
2007-09-18


禺画像]

ニャオスの財産も増えてきました。
イチゴハウスと爪とぎ。
(でも、トイレは牛乳パックで作っています。買わなくていいかも・・・)





高校生の頃、夏休みに友達のうちに遊びに行った。

「暑かったでしょ。これ食べる?」と出されたのは、パックごと凍らせる氷菓だった。
「食べる食べる」

パックの上端を切り取って、下から押し出しながらガリガリ食べる。
見たことのないメーカーだったが、オレンジ味でおいしい。

「もう一つ食べる?」
「食べる」

また出してくれたので、また食べる。
それもオレンジ味だ。ほかの味はないのかな?と思いながらガリガリ食べる。

「もっと食べる? 何箱もあるよ」
「もういらないよ〜」

そういえば、廊下に段ボール箱が積んであった。

「ほかの味もあるの?」
「全部オレンジ味」

思わず笑ってしまった。「ご家族全員オレンジが好きなの?」

友達はうんざりした顔で「嫌いじゃないけど、家族全員もう完全に飽きている」と言った。

そして、「このパックを見て、何か気がつかない?」とパックを突きつけてきた。


オレンジ色の大きな字で「オレンジ」と書いてあるシンプルなものだ。


「え? 何も気がつかないよ・・・」
「よく見て」
「よく見てるよ・・・あ、あれ?」


よくよく見ると、「オレンジ」ではなくて「オレンン”」となっていたのだ。
だけど、オレンジの絵も描かれているし、字の縁取りが何重にもあるので、パッとみたら目が勝手に「オレンジ」と読んでしまう。


「こんなに大々的に間違えることってあるんだね」
「人間がやることだからね」
などと2人で話した。


「オレンン”」と書かれた氷菓は出荷できない。、
出荷できないが捨てるわけにもいかず、関連会社の社員たちが買うことになった。
友達のおとうさんは、親会社の重役だったので、大量に引き取ったということだった。


「オレンン”」のまま、デザイン事務所から印刷会社、そして食品工場まですり抜けたわけで、いったい何人がこれを見逃したのだろう。


「工場で、これを箱詰めをしていたパートのおばさんが気がついたんだってよ」

「エライ! パートのおばさんエライよ!」

すぐさま走っていって、そのパートのおばさんの手を握りたい気がしました。




沖縄の、そして日本や世界の将来にとって、辺野古に米軍基地を造るのは間違っていると思います。

アメリカと日本の政治家の方たちは、間違っていることに気がつかない。
あるいは利権のために気がつかないふりを通そうとしている。

でも、箱詰めに雇われたパートのおばさんだからこそ、「間違ってます」と言えることもあるでしょう。
権力や利権を持たないパートのおばさんだからこそ、わかることだってあるのです。

ただの一市民が何となく感じた「やだなあ」という思い。
それを、無理に押し殺してはいけないのです。


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